ウツボの仲間
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ウツボひと口メモ
ウツボの仲間は現在約200種ほど確認されています。
その特徴は、一見、魚には見えないヘビのような細長い体形、尖った顔に大きな口、そこには小さいが多くの鋭い歯を持つ魚です。この鋭い歯は、口の奥に向かって生えており、しかもその方向に折りたためるのである。この特殊な構造は、捕まえた魚を逃がさないためと、それをスムーズ飲み込むためのものと考えられます。もし万が一ウツボに噛まれたら、引かずに押し込んでやるとあの鋭い歯から簡単に解放されます。しかし、そう上手くいくか疑問です。また、その体には胸鰭と腹鰭がなく、背鰭と臀鰭が尾鰭連続しています。大きさも様々で、大きいものでは大人の太ももの太さはあるような巨大なウツボも存在します。
その生態は、比較的浅い海の岩礁や岩の割れ目を棲家とし、昼間は岩のすき間から頭だけを出してゆらゆら漂わせている事が多いようですが、夜間には活動が活発となり穴から這い出て泳ぎまわります。性格は、見た目とても獰猛そうですが、こちらから手出しをしたり、縄張りに入り込んだりしなければ襲ってくることはありません。だからと言って無闇に手を出すと、大きな口で攻撃を受け、その鋭い歯で大きな裂傷を負う事があるので注意が必要です。ダイビング中も岩に手を置く際は、十分に確認してからするように(私は一度これでヒヤリとした事があります)。また、磯遊びをする際は、干潮時の潮溜りに取り残されたウツボには特に注意が必要です。
ウツボは主に小魚やタコ類などを襲って食べるようですが、ハナヒゲウツボのようにプランクトンを主食とする種もいます。
食用としてのウツボは、一般にはあまり流通していませんが、和歌山では干物や佃煮などにして食用にされます。また、静岡の伊豆方面や千葉の房総でもウツボを干物にし、炭火で焼いて食べさせてくれます。見た目以上に味はよく、酒の肴にはもってこいかもしれませんが、小骨が少々気になります。