魚のしま模様-しま模様の役目 | 魚のヒミツ


しま模様の役目

カムフラージュとしてのしま模様

我々人間から見るとこのしま模様はかえって派手で目立つものに感じますが、どうやらこのしま模様が海の中ではカムフラージュとして役立っているようです。このしま模様があることで、体が帯状に分断され、一つの個体として認識され難くなるようです。それをイメージで表したものが下の図です。写真(左)はサンゴや海藻の陰に隠れた場合、写真(右)はしま模様でカムフラージュした場合です。写真(右)の方が一つの個体として捉え難いことがわかります。

遮蔽物に隠れた場合 しま模様で分断された場合

仲間を認識するためのしま模様

しま模様は動かずにいるとそう目立つものでは有りませんが、逆に目の前で動かれるとしま模様に反応して目が行ってしまう場合があります。しま模様を持つ魚はこの動きから仲間を認識しているとも考えられています。

標識色としてのしま模様

隠れるとは反対にあえてしま模様を武器として使う魚もいるようです。その代表例がミノカサゴです。ミノカサゴは餌となる小魚を見つけるとしましまのヒレを大きく広げて、小魚の周りをまわってそれに驚いて動けなくなったところを一気に襲いかかるようです。狙われた小魚からすると怖い大きなミノカサゴが目の前に現れて腰が抜けたような状態になるのでしょう。また、前述したようにしま模様が目くらましとなり目の前のミノカサゴが見え難くなるようです。

しま模様の変化

魚には成長するに従い模様が変化するものが多くいます。やはりこれも厳しい生存競争で生き残るため術なのでしょう。縄張り意識が強い魚は、自分の縄張りに入ってきた特に同種の魚に対して執拗な攻撃を加えることがあります。力の弱い幼魚はそんな争いを避けるために全く別種の魚に化けることが考えられます。しま模様が変化する魚で代表的なものにタテジマキンチャクダイがいます。幼魚の頃は渦巻き模様ですが大きくなるに従い縦じまに変化します。ただし、このメカニズムについてはまだまだ解明されていないことが多いようです。

タテジマキンチャクダイの若魚 タテジマキンチャクダイの成魚

(写真左:タテジマキンチャクダイの若魚 / 写真右:タテジマキンチャクダイの成魚)

このしま模様の形成を説明する上でよく使われるのがイギリスのAlen Turingが1952年に提唱した化学反応のモデルとして考えられた「反応拡散理論」です。これはある拡散系を考えた場合、それぞれの物質ごとに拡散のしやすさに差があれば本来その濃度を一様にするはずの拡散が「ムラ」を生み出すというものです。つまり濃度の差が繰り返しパターン(しま模様)を作り出すのです。魚の体表面に存在するメラニン細胞の分布、メラニン色素の量の差がしま模様を生み出していると考えられます。


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