魚と毒-オニダルマオコゼ | 魚のヒミツ


オニダルマオコゼ 足元に迫る危険!

オニオコゼの仲間の代表格であるオニダルマオコゼは奄美諸島以南に生息する魚で、サンゴ礁域の砂地や岩礁、また水深50cm程度の浅い所にも生息しています。彼等は“Stonefish”の名で知られ、岩そっくりの魚とは思えないほどの擬態の名手です。本物の岩のように微動だにせず、目の前に獲物の小魚が来るまでジッとしています。いざ獲物を捕る段になると、素早い動きで大きな口を広げて一気に飲み込みます。

オニダルマオコゼ Synanceia verrucosa

オニダルマオコゼの毒

オニダルマオコゼの毒は、タンパク質で構成されるものであるが、現在のところ詳しいことは不明です。毒は背ビレの13本の棘に存在し、それぞれに、約5~10mgの毒が含まれています。この内の3本の棘が刺さると大人でも致命傷となる可能性があると言われます(オニダルマオコゼ1匹で体重60kgの大人を4人殺せるほどの毒である)。この棘は長いもので4cmもあり、ビーチサンダルやダイビングブーツなど簡単に貫通させるほど、とても丈夫に出来ています。

被害 刺されると

私は今まで何度も彼等に遭遇していますが、彼等自身が積極的に動く所を今まで見た事がありません。ではどうして被害に遭うのか?それは、気付かずに誤って彼らを踏みつけたり、手を置いてしまったりする場合がほとんどなのです。前述した通り、彼等の擬態は非常に優秀で、プロのダイバーや漁師でもなかなか見分けが付かない厄介な魚なです。まして、レジャーで海水浴やシュノーケリングで遊んでいる者は、気付かなくて当然と言えば当然なのです。

刺されると、とにかくその痛みは半端ではないようである。刺された場所は腫れ上がり、紫色に変色し、場合によっては、その部分が壊死を起こす事があります。また、あまりの激痛に意識障害を起こし、重篤の場合は呼吸困難,痙攣,最悪の場合は死亡するケースがあります。膝ほどの水深でも間違って刺されれば、動きが取れなくなり下手をすると溺死し兼ねません。

応急処置 もしもの時の対処法

激痛のため、自分ひとりでは何も出来ないと思います。まず、周りの人に助けを求め、水から上がって下さい。その後、患部を水で洗い刺された部分から毒を搾り出し、刺された部分よりも心臓よりの個所を縛り毒の回りを抑えて下さい。毒が不安定なタンパク質であることから、火傷しない程度の熱いお湯に30分~1時間漬けていると毒が不活性化し痛みが治まってきます。後は至急病院へ行き手当てを受けて下さい。抗血清も開発されているようですが、日本でそれを置いているところは少ないようです。

オニダルマオコゼを食べる

食材としてのオニダルマオコゼはほとんど流通していないようですが、沖縄地方では高級魚として扱われているようです。那覇の公設市場に行くと、鮮魚を扱っているお店の水槽の中にオニダルマオコゼがデーンッと構えているのをたまに見かけることがあります。旬は夏で、その刺身はフグよりも旨いとも言われています。高級魚のオニオコゼと同じ仲間であることから、オニダルマオコゼも美味しいのだろうと想像できますが、調理の際にも毒ビレには十分注意が必要です。

関連記事


Sponsored Link